東池袋大勝軒(南池袋店)/奥深き大勝軒の世界

ラーメン

今更ながら【大勝軒】に興味を惹かれております。

言わずと知れたつけ麺の生みの親である故・山岸一雄氏のお店であります。わたしが興味を惹かれたのはその大勝軒の多さ。東池袋系・中野・代々木上原系・永福町系などに分かれており、東池袋系の中でも、大勝軒のれん会・大勝軒味と心を守る会などともう訳が分からないほど多岐に渡ります。おまけにお店によって全然味が違うということもあり色んな大勝軒に行ってみたいと思うに至りました。

まずは本店!と思ったんですが、この日は残念ながら定休日。と、いうことで同じ東池袋系の南池袋店に行ってまいりました。

それでは参ります!

東池袋大勝軒

東池袋【大勝軒】は1961年に創業。2007年に再開発計画による立ち退きで一時は閉店しましたが、ファンの声により翌2008年に復活。現在【東池袋大勝軒本店】として弟子で南池袋店の店主だった飯野敏彦さんが2代目店主として継承しています。

故・山岸一雄氏(右)と2代目店主飯野敏彦さん

ちなみにこの【大勝軒】という名前は、「大きく軒並みに勝る」という願いを込められてつけられたそうです。

現在は様々あり、分裂してしまった東池袋系ですがHPによると2022年1月現在で本店直営となっている店舗は6店舗。【大勝軒】と看板を掲げているお店はものすごい多いですが、そのお店がどの流派に属しているのかを調べてから食べるのも楽しみの一つかと思います。

つけ麺の元祖

創業者の故・山岸一雄氏はつけ麺の元祖と言われております。

そのはじまりは修業店時代にさかのぼり、まかない食として湯呑み茶碗にスープと醤油を入れたものに残ってしまった麺を浸したものを食べていたところ、それを見ていたお客さんに食べてみたいと言われたのがきっかけ。

そこから試行錯誤を重ねながら常連客に試食をさせたところ評判がよくメニューとして完成。1955年「特製もりそば」として提供されたのが、商品化された最初のつけ麺と言われ元祖と呼ばれています。

この「特製もりそば」という名前は、日本そばを「もりそば」と呼ぶ伝統にならい、中華版の「もりそば」ということで「特製もりそば」と名付けられたとのこと。

メニュー

お店の外にはおすすめメニューが掲示してあります。定番のラーメン、もりそばの他に南池袋オリジナルとして「濃厚魚介もりそば」もあります。このあたりは、最近のつけ麺のトレンドを取り入れている感がありますね。

ラーメン、もりそば共に小サイズがあります。というのも、量が多いのも大勝軒の特徴のひとつだとか。よく聞かれるからか、麺の量の記載も掲示してあります。確かに並で320gというのは凄い。

海外から来られた方にも優しい中国語と英語の表記もあります。

店内は想像していたよりも大きく、広々としていました。

各席にダスターが配置されており、各自でテーブルを拭けるようになっております。

常備されている調味料は、餃子も提供しているので中華屋さんのようです。

トッピング類は席からの注文も可能。

ラーメン(850円税込)

ラーメン(850円税込)

中華そばというネーミングがしっくりきそうなラーメンです。シンプルなネーミングもなんだか良いですね。この時点で器の大きさに少しびっくり。

スープはげんこつ・豚足・鳥がベース。そこにひき肉の旨みと甘みがミックスされ、さらに煮干・さばぶし・魚粉といった海の幸を加えることで、魚の風味とコクが豊かな味を創り出している、とのこと。

実際味わってみたところ、魚介系の風味が前に出てきているように感じます。醤油はそこまで強くなく、少し甘みを感じるスープ。油感も少なく感じ、あっさりさっぱりした印象です。

麺は自家製麺で多加水卵中太麺とのこと。塩分を含んでいる灌水の比重が低いので体に優しい麺のようです。

実際食べてみたところ、つるつるでのど越しの良い麺。少し弾力を感じるものの、もちもちとまではいかず嚙み切りやすい印象的な食感でした。量は案の定たっぷりといった感じ。

このチャーシューは、精選した国産のもも肉を使用し、故・山岸一雄氏が完成させた秘伝のタレでじっくりと炊き上げているそうです。

食べてみたところ秘伝のタレでじっくりと炊き上げている割にはあっさりした味で肉の旨味を全面に出している印象。食感はやわらかく仕上がっているにも関わらず、適度な歯応えがあり食べ応えはあります。

メンマは甘い味に仕上がっていますが、こちらも特製のタレで味付けをしているそうです。

もりそば(850円税込)

やはり一度は元祖・つけ麺を味わってみないとなりません、ということで

もりそば(850円税込)

これが元祖・つけ麺!最近のつけ麺はドロッとしたつけ汁が多い中、昔ながらのさらさらしたつけ汁がなんだかホッとします。

基本的にはラーメンと同じ具材でつけ汁もラーメンのスープを濃くした印象ですが、甘みがより強い印象です。なんだか日本そばのつゆを連想するような甘さ。HPを見ると、つけ麺用のスープとして醤油・甘酢を加えてあっさり感をプラスしている、とあったので甘酢の影響かも知れません。

少し気になったのはつけ汁の温度。冷たくもなく温かくもなくぬるい感じ。いつもこの温度なのかは調べても出てこなかったんですが、もう少し温かい方が個人的には好きです。

量は多いですが、あっさりしているのもあって割とつるっといけちゃいます。

まとめ:魚介を存分に生かしたあっさり味

もう少し濃い味を想像していたんですが、思ったよりあっさりしていて魚介の出汁を一番感じるようなスープでした。

実はこの魚介系の出汁というのも故・山岸一雄氏が修業していた【大勝軒】のルーツともいえるお店【丸長】で日本そばの技法を取り入れたのが最初だとか。それまでは、鶏ガラベースの中華系スープだったのが魚介を使うという画期的な手法を取り入れることになり、現在の醤油ラーメンのベースが出来ているそうです。

ただ、時代は移り変わりジャンク系や味が濃いラーメンが流行っております。実際わたしが訪問した日も隣接する【二郎ラーメン】【一風堂】が行列を作る中、【大勝軒】はすんなり入れたので少し寂しい気もします。

しかし【大勝軒】には時代に左右されずにこの味を守っていってもらいたいです。また同じ東池袋系でもそれぞれ少し味が違うようなので出来る限り色んな【大勝軒】に行ってみたいと思いますので、行き次第随時ご紹介してまいります!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

本日もごちそうさまでした!

店舗情報

住所    東京都豊島区南池袋2-27-16

アクセス  JR池袋駅から徒歩7分

TEL     03-5951-2221

営業時間  11:00~22:00 ※最新の営業時間はお店にご確認ください

定休日   火曜日

席数    21席(カウンター19席、テーブル2席)

喫煙禁煙  全席禁煙

駐車場   なし

HP     http://www.tai-sho-ken.com/top.html

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