京都でよく見かけるそば。それが【にしんそば】です。京都の蕎麦屋にはたいていあるメニューで、正直馴染みのない関東出身のわたしからすると、「えっ、そばににしん・・・」とちょっと敬遠していたメニューでした。
しかし、これだけ見かけるとは京都では一般的なそばなんでしょう。物は試しです。今回挑戦してみました。
にしんそばって?
読んだままそばにそのまま魚のにしんがドン!と乗っているメニューです。
こういう形で京都ではよく食品サンプルが外に出ているのを見かけます。見た目インパクトありますよね。
かけそばの上に身欠きにしんの甘露煮をのせたものが一般的です。北海道にもにしんそばの文化があるらしいですが、京都が関西風の薄い色の出汁に対して北海道は関東風の濃い色の出汁だそうです。
そもそも、にしんそばは京都の「松葉」が発祥だと言われています 。創業が1861年の老舗で、1882年に二代目の松野与三郎が発案。
身欠きにしんは、たんぱく質やビタミン、ミネラルを含む食材で、これをなんとかそばと合わせることはできないかと試行錯誤の上完成したそうです。そば自体が健康的な料理なので身欠きにしんと合わせることによって栄養バランスのとれた食事になるわけですね。
そもそも「身欠きにしん」とは?
身欠きにしんというあまり聞き慣れない名前ですが、歴史は古いようです。すでに享保2年(1717年)の「松前蝦夷記」には「鯡身欠」と記載があるといいます。
水揚げされたにしんは、生の状態では日持ちがしません。冷蔵技術が発達していない時代では、内臓や頭を取り除いて乾燥させるのが保存方法でした。そこで、大量のにしんを日本各地に流通させるために、干物として加工されたものが「身欠きにしん」です。
この「身欠き」というのは、戻した干物が筋ごとに欠きやすくなることからくる俗称だそうです。
京都生そば【もり平】で「にしんそば」を食べてみる
かけそばにたんぱく質たっぷりの身欠きにしんを加えることで栄養食にするという先人の知恵だったわけですね。
これまで何度も京都に行きましたが、これだけはどうしても食べる気になりませんでしたが今回、京都駅八条口方面の近鉄名店街みやこみち内にある京都生そば【もり平】にて食べてみることにしました。
ありました!やはり一番大きくメニューに出ています。
京都では年越しそばで食べるご家庭もあるという話なので、かなり根付いているのでしょう。
すごいインパクト。やはり出汁は薄めの関西風ですね。シンプルなかけそばに身欠きにしんがのっかってその上に九条ねぎがどさっとのっています。
そばはシンプルなさっぱりとした印象。関西風の出汁も相まってあっさりしています。
身欠きにしんの裏側。甘露煮なので甘みのある煮つけです。あっさりとした出汁にこの身欠きにしんの甘露煮がアクセントになっていて合うんですこれが!ちょっとびっくりしました。
この身欠きにしんとそばを交互に別々で食べるも良し、にしん身をほぐして食べるも良し、お好みでしょう。身欠きにしんは、骨まで柔らかく煮てあるので丸ごと食べられます。
にしんの身をほぐすと、出汁ににしんの脂や甘みが溶け出すので、食べていくうちにあっさりの出汁がどんどんコクが出てきて変化を楽しめます。
これは思った以上に深みのある料理だ!
京都生そば【もり平】の店舗情報
今回お邪魔させていただいた【もり平】さんは、 京都駅八条口方面の近鉄名店街みやこみち内 にあります。
セット内容も豊富です。毎朝、自家製の生そばを打っているということで、本格的なそばをいただけます。癖のないさっぱりとした印象が強いそばでした。
もり平名物はこちらの「大きな穴子」です。約33~36cmの特大穴子は、丼にしろそば(うどん)にしろ器からはみ出る豪快な一品になっております。食べ応えを求めるなら申し分ないですね。
定休日はなく、営業時間は11:30~21:30(LO)※最新の営業時間はお店にご確認ください
お問い合わせは 075-661-2462 https://www.kyoto-morihei.com/
店内は46席あり、ゆったりとした雰囲気です。
分かりにくいかもしれませんが、半個室のような席での写真です。
京都にお立ち寄りの際は、この京都生そば【もり平】で「にしんそば」や名物の大きな穴子をぜひ食べてみてください!
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